読書や日常の感想文

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頭の中の文字起こし

【感想】東野圭吾「容疑者Xの献身」が面白すぎた

 

東野圭吾さんの『容疑者Xの献身を読み終えました。この前に読んだ伊坂幸太郎さんの『死神の精度』の時から、次はミステリ小説を読みたいと思って選んだこの本ですが、とても面白くて読み始めてから一気に読んでしまいました。

先にこの本の面白い!と思ったポイントを書いておきます。

  • 登場人物が個性的で愛着が湧く
  • 真相が分かりそうで分からないもどかしさ
  • トリックが明かされた時の衝撃がすごい

 

通勤時間の楽しみにと思って読み始めたのに、続きが気になって家に帰っても読み続けた結果、2日程で読んでしまいました。1週間ぐらいはこの本を楽しみに過ごそうと思っていたのに、また次の本を探さないと。

そんなわけで、今回は東野圭吾さんの『容疑者Xの献身』の感想を書いていきます。

 

作品について

この作品は東野圭吾作の連作ミステリー「ガリレオシリーズ」の第3弾です。2008年には実写映画化、国内の主要ミステリランキングで複数1位を獲得するなどとても人気の作品ですが、ミステリ小説として「本格」かどうかで議論が巻き起こるといった面でも話題になった作品のようです。

僕には本格ミステリ小説が何かは分かりませんが、主人公の湯川と草薙が事件の真相に迫っていく展開には目が離せなくなったし、トリックが明かされた時の「そういうことだったのかぁー!!」と思わせる衝撃の結末もとても素晴らしいと思いました。

 

あらすじ

大きな流れとしては、天才物理学者の湯川が彼の友人で刑事の草薙の依頼で難解な事件を解決していくといったもの。

事件はある男が殺害された殺人事件で、容疑者として殺害された男の元妻・靖子がいるのだけど、靖子を調査しても真相に近づくどころか謎が深まるばかり。

実は靖子の後ろには、湯川の大学時代の友人であり好敵手の天才数学者・石神がいて、靖子が犯人ではないように見せかけるために巧妙なトリックで事件の真相を隠しているんです。

物語は石神サイドと湯川サイドの2つの視点で描かれているのですが、まさに天才VS天才といった内容で、石神が出す超難解な問題(トリック)に湯川が挑み、答えを解き明かしていきます。

 

感想

僕はミステリー小説をあまり読んだ事がないので、始めから犯人が誰だか分かっているというパターンは初めてで新鮮でした。

犯人は分かってる、でも何故か真相にたどり着けない。僕も読みながら真相を予想してみたんですが、どの予想も石神の術中にハマっている感じがするんですよね。このモヤモヤ感があったので、ちょっとでも時間が空けばすぐに続きを読んでました。

石神は数学教師をしているのですが、石神が作るテスト問題は難しすぎると教頭先生から注意を受けて、石神は返事はするけど「解くのは簡単。幾何の問題と思わせて、関数の問題にしているだけ」と心の中で思うシーンがあります。

これは、読み手の僕にとっての大きなヒントであって、同時に挑発でしたね。

「お前はまだ幾何の問題と思って解こうとしてるんだよ、まんまと術中にハマってるぞ」

みたいな感じ。

まぁ、そのヒントをもらいながらも、結局真相まで術中にハマったまんま読み続けて、東野圭吾さんの狙い通りに僕は衝撃を受けたわけです。

いや、面白かった。

 

トリックも面白いですが、登場人物も魅力的で良かったです。

主人公の湯川、草薙はもちろん魅力的ですが、僕としては石神が結構好きです。

犯人側ではあるものの、教師としての描写や湯川との掛け合いには好きなシーンが多いです、特に好きなシーンは、数学が苦手な生徒に微分積分を勉強する必要性を、その生徒の趣味であるバイクの話と絡めて教えるシーンです。

生徒はその話を真剣に聞いていない素振りでしたが、多分その生徒の数学の思い出としては記憶に強く残ったと思うんですよね。

「希望の大学に入るため」と説明されただけなら、記憶にも残らないと思います。

実は、僕自身に似たような経験があって、学生時代は理系科目が嫌いだったんですけど、ある授業で好きになるきっかけができました。

理科の授業で植物の生態に関する話だったのですが、生徒があまりにも授業に興味が無さそうなので、先生がこう言いました。

「みんな!ドラゴンボールは知ってるだろ?!」

僕はドラゴンボールは大好きだったので、そのワードに敏感に反応しましたし、男子はほぼ全員が先生に注目しました。

「先生はピッコロ大魔王の簡単な倒し方を知ってるんだ。あいつが緑色をしているのは、葉緑体があるからで、光合成ができないように暗闇で戦えばイチコロだ!ちなみにセルも同じ方法で倒せると先生は睨んでいる」

この話で、授業は大盛り上がり。

ほとんど授業は進まなかったけど、楽しい授業だったと覚えています。僕はこれがきっかけで、理科が好きになりました。

この思い出があったので、石神の教師としての姿はとても印象的で、好きな登場人物になりました。

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最後に

今回は東野圭吾さんの『容疑者Xの献身』の感想を書いてみました。真相についても書きたいことはたくさんありますが、そこは実際に読んで確かめていただきたいので我慢します。

この本を読んでいて気がついたのですが、昔見ていた「ガリレオ(シーズン1)」というドラマが、この本のシリーズの実写ドラマであることを知りました。これはこれで、真相を知った時とは別の衝撃でした。

前回読んだ伊坂幸太郎の本についてもそうですが、どこかしらで僕の過去と繋がっている事があって面白いです。

次に読む本はまだ決まっていないですが、次も読み終われば感想を書きたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。