僕はマインクラフトやテラリアといった所謂ものづくりゲームが大好きで、今でも思い出したようにプレイする事があります。あの素材を集めて組み合わせて新しいものを作り、冒険や生活の内容がどんどん充実していくところが面白いですよね。
そこで気になる本を見つけました。
この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた (河出文庫) [ ルイス・ダートネル ] 価格:1,078円 |
「この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた 」は、文明が荒廃してしまった世界で僕たちがどうやって近代文明を復活させたら良いのかを考えた本で、この本を見つけた僕は「リアルマインクラフトだ!」とすぐに興味を持ち、購入ボタンを押しました。
全体の感想としては、「科学的サバイバルマニュアル」と言った感じで、知的好奇心をくすぐる面白い本でした。食べられる植物リストや水の確保の仕方といった内容はほぼなく、自然に存在する物資から任意の化合物を作り出すなど、学生時代に習った「何のために勉強してんの?」と思っていた科学の知識の具体的な活用方法が書かれていて、世界が如何に科学の力で支えられているかが分かりました。
ただ面白かったのですが、読み始めた当時はちょっと後悔してました。内容が非常に難しい。僕が想像していた地面を掘って出てきた石炭とそこら辺に生えている木を組み合わせて松明の完成、なんてマインクラフトな世界はなかったからです。そりゃ本気で思っていたわけでは無いのですが、僕の記憶の引き出しから学生時代の知識を引っ張り出して読まないとわからない部分もあるなど、予想以上に難しかったです。
この本は「文明崩壊後から、如何にして元の文明を復活できるか」をテーマに、僕らが置かれるであろう条件(化石燃料の枯渇や、旧文明の残骸の有無、生存者数など)を設定し、衣食住など様々な方面について文明復活のために必要な科学的方法が書かれています。
ポイントは「科学的方法」で、世界中の技術や知識を本などの記録媒体に全て記録するとなると膨大な情報量になってしまい、もし文明崩壊後の世界でこの記録を誰かが見つけたとしてもとても扱いきれないと思いますが、これを「科学的方法」に絞り、内容も厳選する事で300ページ程度の一冊の本に詰め込む事を可能にしています。
この本はいつもと同じように通勤時間のお供として購入しましたが、いつもは一気に読み切ってしまうところをこの本はそんな事を許してはくれず、時間をかけて読まないとほぼ理解できませんでした。
僕としてはもうちょっとだけ図や化学式での説明を増やして欲しかったな、というところです。本を読みながら頭の中で想像して組み立てないと理解できない事が多く、通勤時の眠たい頭ではよっぽど集中しないと読めませんでした(実際に何度か読むのを止めて寝ちゃいました)。
ここまで書いてなんですが、実はこの本を最後まで読み切っていないです。というのも、残り数十ページというところで、出張の際に乗った飛行機内に忘れてきちゃったんです。出張帰りの飛行機で読んでいたのですが、その日は移動疲れもあって途中で寝てしまい、その際に座席ポケットに本を入れて取り忘れてしまいました。出張お疲れ様と自分を労いたい気持ちもありますが、「何やってんだ!あともう少しで読み終えたのに!」と落胆の方が大きいです。
まあ、過ぎてしまったことを言っても仕方がありません。僕みたいなくたびれたおじさんよりも、忘れ物を見つけた美人CAさんの手に取ってもらえる方がこの本も嬉しいでしょう。あわよくば、残り数十ページで挟まれた栞を見て、僕の気持ちに同情してもらえると僕も嬉しいですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。