読書や日常の感想文

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頭の中の文字起こし

今気になる漫画『九龍ジェネリックロマンス』眉月じゅん

スマホでネットニュースや調べ物なんかをしていると漫画の広告や記事が出てくる事がありますよね。大抵はスルーして通り過ぎて行くようなものですが、「このマンガがすごい2021」のキーワードに釣られてある漫画を知りました。

週間ヤングジャンプで連先中(2021年5月時点)の『九龍ジェネリックロマンス』という漫画で、香港に実在したスラム街・九龍城砦を舞台にした恋愛漫画です。

このマンガがすごい2021年オトコ編の第3位にランクインしている漫画で、第1位『チェーンソーマン』(週間少年ジャンプ)、2位『葬送のフリーレン』(週間少年サンデー)と比べるとちょっと雰囲気が違い、ジャンルも恋愛・SFと独特なものになっています。

僕はSFというワードに惹かれて読んでみることにしたのですが、このマンガがすごいと言われるだけあって、とても面白かったです。


 

漫画の内容

香港のスラム街・九龍城砦にある不動産屋で働く30代、鯨井令子と工藤発(はじめ)の非日常を描いた恋愛ストーリー。鯨井は工藤に恋心を抱いており、工藤はその気持ちに気づいているのですが、どこか意味深な態度で彼女の好意を避けています。実は鯨井は過去の記憶を失っており、自分の名前や家のこと以外は全て覚えていないのでした。ある日、令子は工藤のデスクから自分と工藤の2人が親しげに写った1枚の写真を発見し、自分達が恋人同士であったことを知るのですが、工藤の態度を見る限り、写真の人物と自分は違う人物である様子。

鯨井令子の謎や、九龍の昔懐かしい街並が時折見せる暗い部分など、物語に惹きつける魅力が詰まった今続きがとても気になっている漫画です。

 

感想

最近、80年代風、90年代風といったように、過去に流行ったものや、テイストが流行していますが、この漫画にも似たような雰囲気を感じました。ちなみに古臭いとかそういう話ではなくて、ノスタルジーな気持ちというか、いわゆるレトロと呼ばれるものを良いと感じる、あの感覚を抜き取って漫画にしたという感じです。ここにレトロとは真逆の未来的要素が加わる事で、不思議で魅力的な面白さが出ていると思いました。

タイトルのジェネリックロマンスというワードも良いですよね。医薬品などで耳にするジェネリックという現代的な単語に、ロマンスと言った最近ではあまり聞かないワードの組み合わせが、新しいけど懐かしい、そんな印象があります。(タイトルの字体もネオンサインみたいで良い感じです)

タイトルの話はこれくらいにしておいて、ネタバレしない程度に内容についても触れていこうと思います。

物語は基本、鯨井と工藤の日常と恋愛を描いた楽しく明るい内容の話で、彼女らが九龍で知り合った訳ありで個性的な住人との掛け合いは見てて面白いです。そんな楽しい話が続いている中、鯨井の過去に関する謎や九龍に感じる不気味な違和感といったミステリアスな部分がじわじわ出てきて、どんどん話の続きが気になってくるんですよ。このミステリアスな雰囲気がじわじわ迫ってくる感じは、浦沢直樹の『20世紀少年』を読んだ時と近いものを感じましたね。今は単行本が4巻まで発売されていて、鯨井以外の登場人物達にもスポットが当てられるなど、まだまだ話が拡がっていきそうで、続きがとても気になります。

 

おわりに

今回、今気になっている漫画について書いてみました。最近は家にいる事が殆どなので、面白い漫画の発見は嬉しいものです。

この漫画を読んでて思いましたが、懐かしく感じるものって良いですよね。僕も昔聞いてた音楽CDや、ゲーム、町の風景や香りなんかで、あのなんとも言えない寂しいのか嬉しいのかよく分からない感情になるのが結構好きです。

この漫画も何十年か後に読み返すと、懐かしく感じるもののひとつになっているんでしょうね。その時には紙の漫画も珍しいものになっているかもしれません。

『九龍ジェネリックロマンス』の感想でした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。