読書や日常の感想文

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頭の中の文字起こし

ゾーマが言っていたこと

「ひかりあるかぎり やみも また ある……。
わしには みえるのだ。ふたたび なにものかが やみから あらわれよう……。」

 

これはドラゴンクエストⅢのラスボス 大魔王ゾーマのセリフです。

良くある質問の1つのファイナルファンタジー派か、ドラゴンクエスト派か?、ではいつもドラゴンクエスト派(ドラクエ派)だった僕にとって、ドラクエは小さい頃からとてもお世話になったゲームでした。

いきなりドラクエの登場キャラクターのセリフを出してきた事には訳があって、このセリフは当時ゲームをプレイした頃から時を超えて、今僕の頭の中に蘇ってきたからです。

ゾーマのセリフが世の常を言っている事は当時の僕でも何となく分かってはいたのですが、やはりゲームのセリフなのでどこかファンタジーで現実味が薄かったというのが本音でした。でも、僕は今このセリフの内容を実際に体験しています、僕の職場で。

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僕の職場は町工場から始まったものづくりの会社で、その起源から代々社長は技術の人間でした。

僕の会社の社長(現会長)はなかなかアグレッシブな方だったので、新しいアイデアが浮かぶ度に技術陣にあれこれ指示を出しては、あれは違う、もっとこうしなさい、など怒号が飛び交う職場は重い空気の立ち込める魔界のようで、そこの主である社長はまさに魔王でした。

これは僕の偏見なのですが、技術の人間は自分の中にしっかりとした考えや独自の理論のようなものを持っていて、そこから逸れようものなら猛烈に反発してくる人が多いと思います。でも、そうであるからこそ議論が交わされてより良い新しいものが生まれるのだとも思っているので、悪いことだとは思っていません。ただ、社長は魔王に見えるほど強烈な人だったんです。

そんな魔王の君臨する魔界が永遠に続くと思っていたのですが、社長の御子息に世代交代する形で少しずつ変わっていきました。ですが、世代交代したとはいえ、前社長は技術陣に度々干渉をしてきたので、世代交代後のしばらくは僕としてはあまり変化を感じませんでした。しかし、そんな前社長に痺れを切らした新社長は「今の社長は俺だ」と前社長と大喧嘩をしたわけです。

その結果、前社長の干渉はほとんどなくなりました。今思えば、これがまさに魔王が倒れた日で、今までの張り詰めた職場の雰囲気は和らぎ、技術色の強かった経営は営業上がりの新社長により営業色強めに変わりました。

 

でもゾーマは言っていました。

「ひかりあるかぎり やみも また ある」

 

この言葉の通りで、1年と経たずに第二の魔王が現れる事になります。

実は前社長には息子が2人いて、営業の兄と技術の弟という組み合わせでした。前社長としては互いに得意分野を活かし合いながら会社を引っ張っていくことを望んでいたと思いますが、その望みは叶わず技術者の弟は兄である社長のやり方に反発したんです。これがまさに第二の魔王の誕生で、弟は前社長の血を色濃く引き継いでいるからか性格はそっくりで、技術的側面からあらゆる仕事にダメ出しをする人でした。この兄弟で揉めている様子は、なんだかドラマや漫画のような展開でした。

戦いは1年以上続き、やはりここは社長が有利で第二の魔王も倒れることとなりました。

第二の魔王の誕生にギスギスしていた社内の空気は軽くなり、また社内の雰囲気は変わりました。

 

でもゾーマのセリフを思い出します。

「ふたたび なにものかが やみから あらわれよう……。」

幸い、第三の魔王が現れたという話はまだ聞いていないです。でも僕はもうすぐ第三の魔王が現れる予感がしてなりません。

最近どこかで聞いた話ですが「以前は経営の判断でも技術的なフィルターがあったけど、今はどうだかね…。」と言っている人がいました。

この"どうだかね…"の中に含まれる気持ちはなんとなく僕にも分かります。最近は売上重視なので、技術面についてはとりあえず形にしている感が強くてちょっと心配です。

これに加えて、ある社員から「今から急ぎの仕事を依頼するけど、君の上司は細かいから時間がかからないように上手くやって欲しい」といった内容の電話がありました。

まあ、よくある根回しというやつです。でも、僕の上司に直接の根回しではないところが少し気になります。もしや、僕の上司が魔王認定されかけているのではないかと気になっています。

たしかに僕の上司は細かいですが、いたずらにいちゃもんをつけるような人ではないので、僕の思い過ごしであればいいのですが。

 

やっぱり平穏が続くことは難しいんですかね。

平穏というのは考えてみれば、ある数値が偏っている状態のようなもので、崩れやすく継続するにはとても力がいるもんなんでしょう。

このまま何も起きずに済むことを願っています。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。