読書や日常の感想文

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頭の中の文字起こし

秋のせいで考えたこと

まだまだ日中は暑いですが、ついこの間までのとんでもない暑さに比べると暑さが和らいできたように思います。最近、会社帰りのふとした瞬間に秋の香りと言いますか、秋の訪れを予感させる何かを感じることがありました。

 

そういう時は決まってノスタルジックな気持ちになるのは何故なんでしょう。おそらく僕以外にも、同じような気持ちになった人は他にもいるんじゃないでしょうか。

 

そんな気持ちでいると、不意に昔のことを思い出してしまいます。その時は、実家で飼っていたペットに関わる不思議な出来事ついて思い出しました。今回はその事について書いていきたいと思います。

 

昔、実家ではウサギと犬を飼っていました。実家は古い日本家屋で、大きな土間があったのでそこに柵をしてウサギを飼っており、犬は屋外に繋いでいました。

 

犬は散歩から帰ってくる際に決まって土間の近く通り、ウサギにちょっかいをかけようとしますが、ウサギはいつも逃げて隅っこで縮こまっていました。

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その頃の僕はそんな状況を見て、犬とウサギは生物的に相入れないものだと思っていました。犬から見ればウサギは捕食の対象に見えているでしょうし、無理矢理にでも同じ空間に置いたら大変な事になると思っていました。

 

僕は動物が好きで両方とも同じぐらい可愛がっていたので、もし一緒に遊んだりできるのならきっと楽しいはずといつも思っていましたが、先に書いた通りの状態なので無理だろうと諦めていました。

 

そんな状態のまま月日は流れ、ウサギも犬も10歳を超え、年老いて動作もゆっくりになり、寿命を感じさせるようになりました。

 

年をとっても2匹の関係は変わらず、動きはスローですが、犬は相変わらずウサギにちょっかいをかけて、ウサギは逃げて縮こまっていました。

 

ある日、犬は足が悪くなり散歩にも行けなくなりました。その後は急激に弱っていき、寿命を迎える日が来ます。その日の晩は、いつもは鳴かないはずなのに、「くーん、くーん」と鳴き続けていて、あまりに辛そうな鳴き声に何度も犬小屋に様子を見に行ったことをよく覚えています。

 

その晩、犬は死んでしまったのですが、その後1週間と経たないうちに、ウサギも後を追うように死んでしまったんです。

 

実家で一緒に住んでいた祖父はそれを見て「犬があの世で寂しくないようにウサギがついて行ったんだ。犬もひとりぼっちにならなくて安心してる」なんて言っていたのですが、当時の僕は2匹がいきなり居なくなってしまったので、そんな前向きに考えられずにそれを聞き流していました。

 

現在に話を戻します。

 

その事を思い出して考えたことがあります。僕の記憶の中では、2匹の仲は悪いというか、生物的に相入れない関係と思っていたのですが、実は仲が良かったんじゃないのかと考えました。

 

ウサギには「寂しくなると死んでしまう」なんて噂がありますが、調べてみると生物学的な根拠がないとのことでこの噂はただのウソのようです。ただ、寂しさからくるストレスにより体調を崩すことはあるようです。

 

ということは、いつもちょっかいをかけてきた犬が居なくなった事で、ウサギは寂しさを感じていたのではないでしょうか。

それに、犬が死んでしまう前の鳴き声も聞いていて、犬が死んでしまった事にも気付いていたかもしれません。

 

当時の僕は2匹が同じ時期に死んでしまったことは単なる偶然だと思っていましたが、今になって不思議に思えてきました。

 

どちらもいつ寿命を迎えてもおかしくない年齢だったので、全くあり得ない話ではないのですが、たまたま寿命だったと片付けてしまうのも何だか違う気がします。

 

きっと2匹の間には僕の知らない何らかの繋がりがあったんだと思います。そう思った方が自分の中でしっくりきますし、なんとなくそうであって欲しいと思っている自分もいます。

 

あながち、祖父の言葉は間違いではなかったのかもしれません。そんな事をぼんやりと考えながら、家に帰りました。

 

こんな事を考えてしまうのは、きっと秋のせいだと思います。こんな風に書いていますが、僕は四季の中で秋が一番好きです。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。